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人手と人材確保

 社員とパートを入れて6人ほどの泉州タオルのあるタオルメーカー。この半年ほどの間に、従業員2人が行方不明になった。無断欠勤してそのまま、今日になっても連絡してこないので“行方不明”という。一人は社員だった。社長自ら家まで尋ねたところ、家族を残して消息を絶っていた。
 もう一人はパートとして雇用した。4日ほど勤めたあと出勤してこなくなった。履歴書にあった携帯電話の番号に電話したがつながらなくなっていた。両人ともいくらかの賃金を残したまま。いまだに取りに来ない。「人手にもならない。社会人としての常識がなさ過ぎる」と、当の社長は一刀両断。
 この1年ほどの間に、これらの特異例以外でも辞めていった者が何人かいた。その一人は「パートから社員にしてほしい」という積極性があったので人材として期待して正社員にした。ところが突然、無断欠勤し、その翌日には辞表を持って来た。「辞めるのはいいが、職務に対する責任があるはず。迷惑を掛けないため、2、3カ月ほど前に申し出て、仕事を片付けてからやめるべきでは…」と言ったところ、「私にも生活があります。次の職をすぐに探さなければならないので了解して下さい」の一点張り。技術を教え始めていた矢先のことだった。人材になると期待しただけに社長のショックは大きい。
 人手を補うために、年に何回も求人の広告を出す。中小零細企業だけに、その費用も馬鹿にならない。一時的に人手を確保しても、ほとんどが人材まで育たない。タオル業を続けるためには人材の確保が不可欠。人手さえ満足に確保できない今日、近い将来、生産が出来なくなる日が来ると予想する。
 この夏、今治タオル、泉州タオルの両産地を回って人手と人材について考えさせられた。このような問題を抱えているのは、このメーカーだけではない。産地が残っていくためには人手、人材確保の方法構築が緊急の課題だと思った。(H・S)
2008年08月22日(金)  06:35  / この記事のURL