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師走に似合うシブイ黒

 カラスルック引きずる日本人――。ファションカラーとしての「黒」がシブイ。20年ほど前の1980年代半ば、日本の街を行き来する若者のファッションの共通色は東西とも、黒一色だった。いわゆるデザイナー&キャラクター(DC)ブランドの黄金期である。
 仕掛けたのはこの黒を基調にしたコレクションを世に送り出したカリスマデザイナー、山本耀司と川久保玲の両氏。
 当時、参加したパリコレクションでは世界中から集まる辛口のバイヤーやマスコミを黙らせた。その後もコレクションの度に誰よりも多くのフラッシュを浴びた。デニムと同じ大きく変化することのない“素材”としての黒色は、冠婚葬祭に欠かせないが、一方で決める際のファッションの指色に欠かせない。
 ただ、黒が認知されるまでは苦難の道も。「不況の色」とか「喪に服す色」と敬遠もされた。しかし「そんなの関係ねぇ」(両氏の考えとは無関係です)とばかりに、奥深い黒のシブサを引き出した両氏はマジシャンのようなデザイナーでもある。
 世相は、グリコ・森永事件(84年)、海外ではチェルノブイリ原発事故(86年)、東西ドイツ統一(89年)、ソ連崩壊(91年)と続く暗〜い時期。明るい話題は俵万智の「サラダ記念日」「ちびまる子ちゃん」。瞬間的だが感傷に浸ったり、なごんだ。
 11月も終わり、明日から師走(しわす)。師走は陰暦十二月の異名で、年の極(きわ)まる月の意から極月(ごくげつ)とも言う。シブイ黒が似合う月でもある。(M・S)
2007年11月30日(金)  06:20  / この記事のURL

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