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15歳の師匠と8歳の弟子

 先日、プライベートでカンボジアに旅行した。アンコールワットの素晴らしさを堪能し、食事を済ませてからホテルに戻ると、誰もいない夜のロビーに2人の少女。1人は、昼にいつもロビーでカンボジアの伝統楽器の生演奏をしている少女だった。もう1人の少女に楽器を教えているという。歳を聞くと右の子が15歳、左の子が8歳。若くて可愛いらしい師匠と弟子。
 おもわずカメラを向けてしまったが、後でふと考えた。たしかカンボジアの義務教育制度は日本と同じ6・3制の9年間のはず。はたして彼女らは学校に行けているのだろうか。統計によるとカンボジアの中学生の就学率は30%台だ。
 街に出ると、もっと過酷な現実を目にする。観光地のいたるところに、年端もいかない物売りの少女たち。カタコトの英語と日本語でお土産品を売り歩く。まだまだ子供が労働力として家計を担わなければならない発展途上国の現実がある。
 そんな彼女たちを見ながら、せめて昨夜見た小さなお師匠さんが中学校を卒業してからホテルで働いていることを、そして小さなお弟子さんも、学校が終わってから稽古をしていてほしいと思った。
 と同時に、彼女たちは恵まれているのだろう。冷房の効いたホテルのロビーで音楽を奏でる仕事は、炎天下の路上で物売りをすることとは比べ物にならない。彼女たちの屈託のない笑顔には、生活苦の悲壮があまりない。いつの時代も、芸は身を助ける。今日もきっとシェリムアップの街で、あのたおやかな調べを奏でているのだろう。(M.U)
2012年07月23日(月)  10:00  / この記事のURL

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