提案型接客のためバイヤーができること
ここ数カ月、いろいろな店を見て感じるのは、「接客のレベルが落ちた」ということです。

あきらかに失礼という接客が多いというわけでなく、こちらの要望をわかってくれない、切り返して提案することができない接客が増えたということです。いわゆる提案型接客ができていないのです。

このコラムでは、バイヤーさん向けに商品や仕入れについて、お伝えするのが主旨ですが、仕入れる方にもわかっていただきたいので、今回は接客についてお伝えしますね。

接客力アップには以下の3つの段階が必要です。

@商品知識の習得

Aプレゼンテーション手法のアップ

Bヒアリングアップによる個別性の感じる提案

いきなり、Bをアップさせるのは難しく、@⇒A⇒Bとステップアップしていく必要があります。

ベテランの方は@とAが必要ないかというと、そんなことはありません。トレンドなどによって、カラ―展開、フィット感、スタイリングが変わります。このような変化は、顧客にとっては大きな変化です。そのたびに、商品知識を習得し、顧客の気持ちにそって提案するのがプロの販売スタッフなのです。

この夏は、フィット感がゆるくなっていき、カラ―もよりナチュラル、ピースフルなものにシフトしている店が多くなってきています。皆様のお店ではいかがでしょうか。

このような変化に、お客様がちゃんとついてきてくれているでしょうか。そして、店頭のスタッフは、バイヤーの皆様が送り出した商品の知識を習得し、魅力あるコーディネート、セールストークなどを伝え、お客様のメリットを伝えることができているでしょうか。

また、バイヤーの皆様は、どんな思いで仕入れたかを店舗に伝えきれているでしょうか。

端境期に入り、ショップスタッフのモチベーションが低下しがちな今こそ、バイヤーの皆様の思いを店頭に伝える時期だと思います。
2011年06月06日(月)  18:53  / この記事のURL  / コメント(0)  / トラックバック(0)



力相応にブレないMDを
セレクトショップは、メーカーのブランドショップと異なり、自由に変えることができます。その分、トレンドに振り回され、自店の独自性がブレるということ生じがちです。

オープンの時は、自店の独自性がある程度トレンドあっていることが多いのですが、トレンドはある程度のサイクルで真逆の方をシフトします。

モード系からトラッド系へ、強めから甘めへ、などなど。ここで、どの程度トレンドを組み入れるのかが悩ましいところです。

自店を不変的に支持するコアな客層は安定しますが、トレンドとともに自店で買上げ、トレンドとともに自店から離れている浮遊層が多いと売上が不安定なものにしてしまいます。

路面の個店であれば、自店の核を貫き、独自性のあるルックをファッションとして磨き上げることが必要です。

そして、駅ビルやSCなどのインショップなどの浮遊層が多い立地は、自店の独自性因子とトレンド因子をかけあわせることが必要です。

また、チェーン店においては、商品のカテゴリーを、3層に分け、全店で必ず売れるベーシック商材、トレンドの因子を掛け合わせたバリエーションアップ商材、そして立地や客層に応じたスペシャル商材のバランスを、店舗環境によって比率を変えていくことが必要です。


いずれにしても、少しずつでもよいですから、コアの層をしっかりと獲得し、固定客化していく商売を確立していかなければなりません。この層は、売上が不透明な時期でも必ず皆様の店を守ってくれる存在なのですから。
2011年05月16日(月)  14:14  / この記事のURL  / コメント(0)  / トラックバック(0)



セレクトショップ事例編 コレット
コレットといえば、世界に大きな影響を及ぼすセレクトショップとして、長い間、君臨しています。
「コレット詣で」と表現されるように、バイヤー必見のセレクトショップです。

そのセレクトの特徴は、品目、ブランドはボーダレスで、ビッグネームも、インディーズも同様に扱い、独特のセレクトによって全体を調和させることができています。

ここで取り扱われたことで、俄然注目度を集め、世界に羽ばたいていったブランドも数多くあります。

最近は、大手ブランドのショールーム的に使用されることが多いようです。ユニクロがパリ旗艦店オープンの前に、コレットに商品を置いたこともありました。

今は、ラルフローレンのモーターコレションを展開しているようです。



このように、世界から注目されているコレットですが、ここのオーナーは元々、サンチエ(パリの問屋街)のバイヤーだったそうです。数多くの商品を見極めた審美眼が、コレットを創り上げたのでしょう。

現在は、セレクトショップとしての店売りよりも、メーカーやブランドを紹介するショールーム的な収益が多いようです。尖ったセレクトショップは、単体で収益がとれるところは少なく、小売以外のビジネスで稼いでいることが多いようです。

コレットも、その代表例といえるでしょう。

http://www.colette.fr
2011年05月02日(月)  18:47  / この記事のURL  / コメント(0)  / トラックバック(0)



セレクトショップ事例編「スティーブン・アラン」
Steven Alanはニューヨークのセレクトショップです。ニューヨークのセレクトショップの中では大御所的存在です。

ニューヨークに5店舗、カリフォルニアに3店舗ある他、ソウルにも1店舗あります。


ソウルは現地化しているため、セレクトの方向が大分違いますが、アメリカ国内のショップはどの店も、リラックスしたトラディデョナルスタイルが基本です。


このショップの最大の強みは、一番商品を自社オリジナルブランドで持っていることでしょう。その一番商品とは、シャツです。ノリータにはシャツに特化したショップもあります。




スティーブンアランから学べる商売の原理原則は、「一番化」と「独自化」の両立です。

商売のポイントは「力相応」の「一番」をに、いくつ持てるかということです。そして「一番」の切り口は、商圏と客層、商品という3つの切り口があります。「どの商圏で」「どの客層で」「どの商品で」、一番を持っているかどうかということです。

スティーブンアランは、「ニューヨークで、ベターグレードのソフトドラッド系セレクトショップで、シャツで一番」を持っているのです。



「全世界で、全客層、全商品で」一番を持つということは難しいです。

なので、例えば「東京の吉祥寺で、モデレートグレードのナチュラルカジュアルで、チュニックで一番」というように、力相応な範囲で一番を持つことが大事なのです。


そして、その商品に独自性があれば、怖いものはないでしょう。

http://www.stevenalan.com/
2011年04月18日(月)  14:55  / この記事のURL  / コメント(0)  / トラックバック(0)



I.Tに見るオリジナル開発手法
本日、上海から帰ってきました。今回は、北京も行きました。北京で話題になっているコムデギャルソンも見てまいりました。コムデギャルソンを手掛けているのが香港のセレクトショップのI.Tです。エイプを買収したり、数々の日本ブランドの中国販売権を持っていたりするなど、名前もだいぶ知られていますね。

今回、北京や上海の展開を見て回ると、これまでとMDが変わってきていることがわかります。

I.Tは、大文字のI.Tはラグジュアリーを、小文字のi.tはヤングのモデレートブランドを扱っているのですが、圧倒的にi.tが増え、その中でオリジナルブランドのシェアがアップしています。I.Tはセレクトショップとしてのインキュベーション機能の割合が高かったのですが、一方で、オリジナルブランドの育成に積極的でした。

商品には、売れ筋、見せ筋、そして売り筋というものを設定するのが商売の原理原則ですが、「売り筋」とはトレンドの属性に自社の属性を掛け合わせて、独自性訴求をすることが必要です。そしてそれらの多くはオリジナルブランドです。

日本のセレクトショップは、ビッグブランド、ファクトリーブランドとそれらを補完するオリジナルブランドの組み合わせが多く、それらをバランスよく整えて展開しています。

しかし、I.Tはセレクトショップの中にキャラ立ちオリジナルブランドを入れ、オリジナルブランドはスピンアウトした独立型出店でも数多く展開されています。欧米や日本のブランドを展開することで、商品企画を学び、各ブランドの長所短所を踏まえて、オリジナルブランドの商品企画力をあげてきたからこそ、できるのでしょう。




自社オリジナル企画を考えているセレクトショップにとっては、よい見本となるでしょう。
2011年04月04日(月)  23:41  / この記事のURL  / コメント(0)  / トラックバック(0)



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プロフィール

山中 健(やまなか たける)
アパレル業界を中心に、百貨店、大手から個店まで、幅広い業態におけるコンサルティングを手掛ける。調査設計から戦略策定、行動計画への落としこみ、そして教育研修にいたるまで、マーチャンダイジングに関してのコンサルティングを得意としている。特に豊富な実務経験と活性化事例に基づく教育研修は説得力があり高い評価を得ている。

山中健 プロフィール
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