ルーサイト社は特にモノマー系の技術にすぐており、ポリマー(重合)系の技術にも優れている三菱レイヨンとの統合により大きなメリットがあるとしている。またアジア市場に強い三菱と欧米市場に強いルーサイト社との補完により営業展開のグローバル化も促進される。統合により世界市場でのシェアの35%以上を獲得できるという。 また今回の製造技術は石油化学市場に豊富なエチレン原料を使用しているため、同社も保有している従来からの2つの工程方式(青酸系とイソブチレン系)用の原料が世界的なアクリル繊維などの不況による品薄感や手配の困難さから逃れやすいとも説明している。
ともあれ資本金532億円、年商4,185億円の三菱レイヨンが、、1,600億円もの買収資金を投じてM&A(買収、合併)を断行するのは「社運をかける」(同社鎌原正直社長談)ほどの大きな挑戦だ。この統合により三菱レイヨンの売上げは年間約6,000億の規模となり、同社の1兆円構想への大きな弾みとなる。
1960年代ころからアクリル繊維「ボンネル」で一世を風靡した同社だが、その後の経過は先発ポリエステルにも押され合繊系メーカーとしては決してトップランナーではなかった。だがかってのアクリル系の基礎技術の伏流を生かした今回チャレンジには大きな期待が高まる。
戦前からの財閥三菱グループの一翼を担う同社、今回のM&Aには,東京三菱UFJ銀行の資金バックアップを始め三菱グループ全体からの熱いまなざしも感じられる。そういえば東レや帝人と違い、1952年の社名改称以来「レイヨン」(「レーヨン」ではない!)の社名にこだわって来て、略称化すら無かった同社だが、化学メーカーへの体質変化も踏まえて社名変更の動きはないのだろうか?。